短パンで山に入ることが多い。
膝は楽珍だし、走ることだってできる・・。
何時だったか、大勢の《登山客》がすれ違いざまに、
『あんな格好で、山に登って・・・
山を甘くみてるんじゃないの!』
と話しているのが聞こえたことがあった。
その大集団のほとんどは、素晴らしいお天気の下、ご丁寧にロングスパッツを着け、
長袖のシャツを着込み、手袋をはめ、厚手の帽子を被り、
ミレーのザックにステッキを持ち、熊鈴まで鳴らし、
木道を延々と連なり歩いてくる。
ハイキング程度で登れる山だったし、エスケープルートもあり、避難小屋は豪華堅牢。
ふんだんに湧く水場もあり、近くにはロープーウェイまで通っていて、
おまけに太平洋高気圧に包まれたド晴天の日だった。
(下りたところには温泉まで・・・・)
恐るべし・・・登山『客』!!
トムラウシを一番近くから見たのは、
ひさご沼の畔からだった。
当時、沼の横のほんの少し高い場所に、
羆が飛び込んできそうな、壁と屋根だけの避難小屋があり、
その中に、強風の黒岳でポールが折れてしまったテントを張った。
霞んで見える岩だらけのトムラウシ山頂は、中途半端な遠くの方に立ち竦んで見える。
その姿は、何かの拍子に仲間はずれになっちゃった友達のようだった。
山には努力をして入って行く。それが楽しみだ。
コンビニエンス《便利》が許される場所ではない。
常に自分に見合った状況判断が求められる。
またそれも楽しいものだ。
人に頼り、山を侮り、装備の甘さを呪う。
何かの「せい」にして終わらせてどうするのだろう。
山は楽しいところだ。牙なんか剥かない。
わざわざ『機嫌の悪い』時に山を蹴飛ばしにゆくことはあるまい。
怒るに決まってるじゃぁないか。
なだめ・そっと・すばやく・微笑みながら・・・・
それでも駄目なら、謝って早く帰って来なきゃ。
久しぶりに『山屋』になったが、非情に気分の悪い・吐き気までするニュースだ。