小さい頃、夏休みには祖母に連れられ岩手県の花巻まで、お盆のお墓参りに出かけていた。
祖母の生まれた家は、こけしを造る『木地師』をやっていて、祖母の父はその腕の良さから、花巻祭りの人形もこさえていたらしい。
花巻に行くと、同じ年頃の親戚が何人もいたから、すっかりくつろいでいる祖母が注意を向けないことをいいことに、僕は男女を問わずその親戚達と連れだってあちこちに出かけた。
ラジオ体操・カブトムシ狩り・シジミ採り・イギリス海岸・図書館・セミ採り・羅須地人協会・・・・
蜩が鳴き、気の早い夜鷹が啼く森の中を歩いたりもした。
ミンミンゼミが鳴く暑い昼下がり、動物園の一角の風景・・・・
どうもこのごろ、こんなことで昔のことが良く想い出される。